VWシロッコが発売されてすぐに、オーディオからエクステリアのドレスアップまで、一体で仕上げたのがこのクルマ。評判のクルマをいち早く手に入れ、すぐにオーディオのインストールに着手するのは、お店の話題作りの一面もあるが、どんなクルマにも対応できるようにするための研究という意味合いが強い。という意味では、デモカー=実験車でもある。その下地があるから、シロッコ・オーナーがオーディオのインストールを依頼してきたとしても、自信をもって対応できるわけ。頼もしいショップである。
以前はダイヤトーンのスピーカーが搭載されていた、このシロッコだが、現在は、カロッツェリアのスピーカーに換装。フロントスピーカーは、PRSシリーズというミドル・グレードの17センチ・セパレート2ウェイシステム、TS-Z172PRS(84,000円)に、6.6センチ・ミッドレンジのTS-S062PRS(47,250円)を加えて3ウェイ化したもので、TS-Z172PRSのウーファー部はドアにインストール。そしてTS-Z172PRSのトゥイーター部とTS-S062PRSは、Aピラーの付け根付近に、横並びに配置している。
このスピーカーはオープン&スムース・コンセプトに基づいて設計されたもの。オープン&スムース・コンセプトとは、中域以上をダッシュボードより高い位置で再生することで、フロントガラス周辺に展開する理想的な音場空間を実現しようというもの。そのため、セパレート2ウェイ・システムでは、トゥイーターで、より低い周波数をカバーしているわけだが、ミッドレンジを追加することで、トゥイーターが無理に低い帯域を再生しなくてもよくなるため、それぞれのスピーカーのおいしい部分だけを使って音楽を再生できる。もちろん、そのためにはインストール&調整の腕が必要だが、そこはクァンタム土屋氏によるチューニング。「これがPRSシリーズの音?」とびっくりするほど、解像度が高く、高レスポンスな気持ちのいい音を出していた。
デッキはカロッツェリアDEH-P01(105,000円)を使用。一般的にデモカーというと、各社のフラッグシップ機を使った最上級のシステムを組み込むことが多いが、クァンタムではほかにカロッツェリアXのデモカー、BMWを持っているため、こちらのシロッコはあえて最上級の製品を使用していない。それでも、このサウンドクオリティ。トータルで約80万円強で、このようないい音で音楽が楽しめるなら、カーオーディオとしてはけっして高くはないと思う。
【VWシロッコの搭載システム】
ソースユニット●カロッツェリア DEH-P01
フロントスピーカー●カロッツェリア TS-Z172PRS+TS-Z08PRS
サブウーファー●カロッツェリア TS-W1RSII
パワーアンプ●カロッツェリア PRS-D8200
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システム総額:414,750円
取付工賃: 約400,000円
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計: 約800,000円